Ecole Libreの現場から
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Vol.10 ものづくりが好き

2018.07.26

エコールのこども面談を行うと「図工が好き」というこどもは非常に多いです。「図工の何が好きなの?」と聞くと、こどもは「つくるのが楽しい」と。

つくる楽しさを味わえることは、年齢も性別も学力も関係なく思えます。つくることは楽しいこと。私は音楽やスポーツの世界と同じような感覚だと思っています。

勉強が終わったこどもがつくった折り紙

勉強が終わったこどもがつくった折り紙

しかし、学校の中でものをつくる時間は、どんな教科よりも最小限の時間です。(小学校図工科では週ほぼ2時間、中学校技術科では、1・2年次は週1時間、3年次になると半期で週1時間です。)
なぜこれほどにも時間数が限られているのでしょう。それは、「受験に関する教科ではないから」が1番の理由です。そのため、受験教科の時間を確保するためにも、技術科の時間は削りやすいのです。

でも、本当にものづくりの時間を削っても良いのでしょうか。

私はこどもたちにものづくりを通して学べることがあると思います。
そのためにエコールの活動では、ものづくりを題材にした取り組みを進んで行なっています。今回はその取り組みをいくつか紹介します。

2018/6/17 「みんなもつくろう!ぼくのわたしのおにんぎょう」
未就学児や小学生低学年はつくっているだけで、他の人とは違う自分を表現することができます。指先を動かすだけで脳にも良い刺激となります。例えば、目玉シールの剥離紙をはがす作業があります。これは大人でも手を器用に使わないとできません。はじめは「できない」と主張していたこどもも、今度は自分でやってみようとします。そして、できたことは「自分でできる」という自信になります。このように、できなかったことができるようになる成長を感じられる場面もあります。

こどもが作ったお人形

こどもが作ったお人形

この時のイベントでは、お人形をつくるだけでなく、余った時間でお人形のお家もつくりました。すると、それがびっくりするほど大ヒット!!正直、お人形づくりは楽しそうではありましたが、つくり方を指示されることで、やらされるがままつくっていた様子でした。しかし、お家づくりはこうしよう、ああしようと自分で考えながら進めていきます。クレヨンや空き箱でダンボールを自由に飾り付けはじめると作業は止まらず、とうとうお迎えの時間に。この時「こどもは本当につくることが好きなんだ」と実感しました。

楽しそうにお家をつくるこどもたち

楽しそうにお家をつくるこどもたち

2017/8/21「工作教室〜オリジナルビー玉迷路をつくろう〜」
小学生低学年でも安全に配慮すればトンカチや釘を使って工作することができます。触ったことのない工具の使い方が身についたとき、興味津々にのめり込むこどもの姿は本当に輝かしいです。

自由研究のビー玉迷路をつくる様子

自由研究のビー玉迷路をつくる様子

こちらのイベントは夏休みの自由大研究のときです。
12×200×200(mm)の木板を用意して、釘を打って迷路をつくるという工作です。釘打ちを失敗したこどもは釘抜きも使いました。
はじめてトンカチを使うこどもには、トンカチのどこを持って、どう釘を叩けばいいかも分かりません。しかし、私は意図してトンカチの持ち方までは指示せず行いました。
それでも、彼らははじめ短く持っていたトンカチも徐々に長く持ち、最後にはしっかり使えるようになるのですね。本当に不思議です。

0から10まで全て大人が指示することは必要ないのかなと思えました。こどもも自分で考えますから、「この持ち方は大変だ」「次はこう持ってみよう」などなど、言葉では表さなくても必ず行動に現れてきます。その1つひとつの行動を見逃さずにいたいと思います。

この活動では、こどもたちがすごくワクワクしながらオリジナルのビー玉迷路をつくっているのが見受けられました。後日、ある保護者様からのメールでは「寝る時間までビー玉迷路いじっていましたよ。」などといった、とても嬉しい言葉もいただきました。

2018/8/16「ラジオをつくろう!」
これは予告ですが、今年の夏休みの自由大研究のイベントの1つです。新しい試みですが、小学生高学年を対象とした電気工作です。

現代のこどもたちの環境はとても豊かです。テレビ、エアコン、車など、とても便利なものに囲まれています。それらは日常的に使うものではありますが、使い方を知っているだけで、その仕組みや構造については、全く知らないことがほとんど。いわゆる、ブラックボックス化です。そこで、今回はラジオを実際につくってもらい、どうしてラジオは電波をキャッチできるのかを学んでもらおうと思います。

このように、私の取り組みはものづくりがテーマです。こどもがものづくりを通して、どんな技術を身につけて何を学ぶのか。私はこどもたちがもっと楽しくワクワクして学べる方法はないか日々探しています。そして、こどもたちにものづくりの経験からもっと好きになってもらえることを願っています。

(あかぎ)

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千葉大学教育学部の学部生を中心に、地元の小・中学生に無償で勉強を教える活動を行う。2013年5月に活動を開始。一人ひとりのこどもと向き合い、彼らのやりたいことや苦手を把握しながら、彼らに応じた学習機会を提供している。HP: https://ecolelibre.jimdo.com/

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