Ecole Libreの現場から
Vol.1 ぼくたちが活動する理由

Vol.1 ぼくたちが活動する理由

2017.09.26

はじめまして!
Ecole Libre代表のはんざわです。

Ecole Libreは千葉大学の学生が中心となり、地域のこどもたちに無償で学習支援を行っている団体です。このコラムでは、そんな Ecole Libreでの活動を通して、ぼくたち学生スタッフが感じたことのありのままを書いていきたいと思っています。
(Ecole Libreの詳細についてはこちらをご覧ください)

初回のテーマは「ぼくたちが活動する理由」です。

Ecole Libreが活動を始めたのは今から3年半前のこと。当時、最初の代表を務めた学生が、学校の授業についていけないこどもたちや、経済的な理由で塾に通えない子どもたちの存在に問題意識を持ったことが始まりでした。学校では1クラス30人のような大人数で授業を行うため、こども一人ひとりに適した指導をすることが難しい場合もあると考えられます。それならば塾に行けばいいのではないか、という意見もあるかもしれませんが、塾はそもそも営利目的ですから、教育機会の対価として、少なくはないお金が必要となります。とすれば、学校に「合わない」上に、塾に「行けない」こどもも出てきてしまうかもしれません。そうした状況に置かれたこどもたちは、学習の指導を受ける機会が減ってしまい、その結果が学力差となって表れてしまう、ということも起こり得るのではないでしょうか。

学校や塾には「合わない」「行けない」こどもたちが、学校とは異なるマンツーマンの指導を、塾とは異なりタダで受けられる場所があればよいのではないか。その上で、彼らの学習を手助けできればよいのではないか。このような問題意識から、こどもたちに無償で勉強する機会を提供し、学力の向上を手助けすることを理念として掲げ、Ecole Libreは発足しました。

それから3年半、 Ecole Libreは活動場所の変更や活動時間の拡大など、様々なことを経験してきました。学生スタッフの人数も増え、組織としてもなんだかしっかりしたように思えます。しかし最近になって、日頃の活動に小さな違和感を抱くようになりました。それは、当初の理念と実際の活動がズレていく感覚でした。

現在、Ecole Libreには約30人のこどもが来ていますが、彼ら彼女らの状況は実に多様です。学校でも勉強が「できる」こども、塾に通っているこどもも少なくはありません。 Ecole Libreでのほとんどの時間を、大学生と話すことに使うこどもだっています。そして当然のことではありますが、こどもがEcole Libreに通うという判断をするのはその保護者であることが多く、中には、勉強はしたくないけれど親に言われたから Ecole Libreに来ている、というこどももいます。

こうした現状に目を向けたとき、今の僕たちの活動は当初の理念から外れてしまったのではないか、保護者の方を安心させるための場所となっているのではないだろうか、と考えてしまうことがあります。そしてふと、自分が何のために活動をしているか、よくわからなくなってしまうのです。

でもふとした時、その意味に気付くことがあります。それは、こどもたちの「この問題がわかった」「今日の活動は楽しかった」というひとことを聞いた時です。もしもそこにEcole Libreが存在していなければ、そのこどもは算数の難しい問題が解けていなかったかもしれない。 Ecole Libreが存在していたからこそ、そのこどもはいつもより楽しい放課後を過ごせたかもしれない。そう考えると、ぼくたちの今日の活動には意味があったなあと思うのです。

こうした一つひとつの発言は本当にささいな事であり、こどもたちにとってはなんてことのない日常の一コマなのかも知れません。自分たちがそれに勝手に意味付けをして満足しているだけ、と言えなくもありません。しかし何と言われようとも、それは確かにEcole Libreの活動がこどもにとってプラスになったと言える瞬間だと思うのです。

今のぼくたちの活動は、発足当初の理念に沿っているとは言えないかもしれません。それでも、こどもにとっての「学習する場所」や「居場所」になれる瞬間があります。そんな機会を提供できるということだけでも、ぼくたちが活動する意味は十分あるのではないか。少なくとも、ぼくたちはこのことに喜びを感じながら、日々活動しています。

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千葉大学教育学部の学部生を中心に、地元の小・中学生に無償で勉強を教える活動を行う。2013年5月に活動を開始。一人ひとりのこどもと向き合い、彼らのやりたいことや苦手を把握しながら、彼らに応じた学習機会を提供している。HP: https://ecolelibre.jimdo.com/

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