この街のまだ見ぬ場所を目指して私たちは今日も練り歩く
Processed with VSCO with f2 preset

vol.4 この街の古本屋

2017.05.31

日々の暮らしにおいて、ワクワクすることってどれくらいあるのだろう。
それも、誕生日やらクリスマス、お祭りやらパーティと、そういった話ではなく。
ぼくらが生きている、この純然たる日常にあっての話だ。
気持ちよく晴れた日に家から出ると、これはなんだかワクワクする。
美味しそうなご飯やお酒を目の前にすれば、これまたワクワクする。
あと忘れちゃいけないのが、本屋に入るとき、である。

例えば平日の夕方。
仕事も終わって、あとは家に帰るだけなんだけど、でもなんだかちょっと寄り道したいとき。
毎日の繰り返しの狭間、気怠い気持ちにワクワクを持ち込んで、少し気分を変えたいとき。
こういうときには、本屋がぴったりだ。

一冊の本は、まだ見たことのない世界への入り口のようなものだと思う。
立ち並ぶ本棚と、そこに雑然と並ぶおびただしい数の背表紙。
それは、自分の与り知らない世界に囲まれているようで、ワクワクする。
図らずも興味深い一冊なんて見つかった暁には、もう、たまらない。
そしてそんな掘り出し物は、得てして古本屋というところに眠っていたりするものだ。

というわけで、ぼくが時折足を運ぶのが、Moonlight Bookstoreである。

Processed with VSCO with f2 preset

Moonlight Bookstoreのエントランス

西千葉駅改札を出て、千葉大学を正面に見ながら右方向へ。
すぐにある大きな交差点を左折し、右手に立ち並ぶ商店を見ながらさらに真っ直ぐ。
また大きな交差点に差し掛かるので、そこを右折。
右手に見えてくるその古書店は、以前はスナックだったとのこと。
今も残る昔のままの看板に、その名残が見て取れる。

Processed with VSCO with f2 preset

一番下が以前のスナックのもの

店に入ると、それこそ所狭しと本が並んでいる。
なんなら溢れかえっていると言っても過言ではない。
ちょっと歩きにくいきらいもあるかもしれないが、まあ、そこはご愛嬌。
こういった山の中にこそ宝物が眠っているものだ。
なにより、この光景こそ古本屋って感じがして、ぼくは結構気に入っていたりする。

所狭しと並んで(?)いる本たち

所狭しと並んで(?)いる本たち

店主の長嶋さんはこの店の二代目。
2015年の4月頃から引き継いだ筈だから、それから早2年余り。
ぼくがこのお店にお世話になり始めたのも、
彼が二代目の店主になったその年からだった。

彼は、兎にも角にも長嶋さんだ。
店で佇んでいるときはもちろんのこと、本を引き取りにきてくれるときも、
なんだか忙しそうに店で本を整理している時も。
口で言っていることとはあまり関係がなく、
大抵はちょっと楽しそうにそこに漂っているような、なんだかそんな感じ。
誰といようが何をしていようが、いつでもどこでも長嶋さん、という感じなのだ。

そんな店主の長嶋さん

そんな店主の長嶋さん


ちょっと閉まっていたシャッターを開けてくれた長嶋さん

ちょっと閉まっていたシャッターを開けてくれた長嶋さん

そんな空気が好きなぼくは、ついつい本の話を始めて長居をしてしまう。
本を探したり、はたまた売ったりする目的で店を訪れたはずなのだが、
結局はひたすら話をしていたりする、なんてこともしばしば。
無数の本だけでなく、実はこういった時間にもワクワクしていたのかもしれない。

日々の暮らしにちょっとしたワクワクが欲しいとき。
そして、なんとなく本やら何やらの話をしたいとき。
ぼくはきっとまた、Moonlight Bookstoreを訪れることになるのだろう。

■Moonlight Bookstore
Web:https://www.facebook.com/gekkoudo/
住所:千葉県千葉市千葉市中央区松波2-19-11
営業時間:13:00-21:00(土)、13:00-18:00(日・祝)
定休:平日不定休
(現在出張買取と在庫整理の為、土日祝の営業となっています)

三瓶 伊万里
三瓶 伊万里 | 記事一覧

1984年、福島県生まれ。大学がリベラルアーツを標榜することから、所属は教育学科ながら、他領域の学問にも自由に触れる経験をする。07年に住友商事(株)に入社、鉄鋼事業に従事する。サラリーマンとしての暮らしの在り方に疑問を持ち始め、まちづくりに携わりたいという想いを強くする中、同社を12年に退社。同年(株)北山創造研究所に入社する。14年には同社を退社、現在は新たな社会の在り方を研究しながら、実践の可能性を模索している。 https://www.facebook.com/imari.sampei

  • facebook
  • twitter
  • google+

関連記事

  • vol.3 この街のイタリアン