千葉に行くつもりじゃなかった
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Vol.3 県立幕張海浜公園『見浜園』茶の湯〜新緑の会〜に行ってきました。

2017.05.16

こんにちは、くろさわゆうこです。

5月に入り、新緑がまぶしい季節となりましたね。梅雨や夏本番を迎えるまでのこの時期はとっても過ごしやすく、お出かけするのにもぴったり!

先日のGWもお天気に恵まれ、各所で屋内外の素敵なイベントがたくさんありましたが、今回は西千葉よりちょっと足を伸ばして、千葉県立幕張海浜公園内(以下、県立幕張海浜公園)にある日本庭園『見浜園』(みはまえん)で企画された催しに行ってきました。

その名も『見浜園 茶の湯〜新緑の会〜』。
都市部にいながらにして感じられる、緑豊かな自然と和の趣き。さわやかな新緑の中、大人も子どももまったりほっこり過ごしたこのイベントでの一日を、今回の【千葉へ行くつもりじゃなかった】ではお伝えしますね。

■国際業務都市に位置する「みどりと海のシティパーク」、千葉県立幕張海浜公園

今回の茶の湯イベントが開催された日本庭園『見浜園』ですが、国際業務都市としてますます盛んな幕張新都心(千葉市美浜区)に位置する『千葉県立幕張海浜公園』の一施設として親しまれています。
広大なこの海浜公園は各ブロックに分かれ、『見浜園』以外にも『大芝生広場』や『花時計』、『わんぱく広場』や『彫刻と緑のプロムナード』などさまざま施設があり、豊かな緑の中で集い、くつろぎの場としてはもちろん、地域の防災拠点としての重要な役割も担っています。
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JR京葉線「海浜幕張駅」南口から徒歩約10分でたどり着ける県立幕張海浜公園。
「みどりと海のシティパーク」のテーマの通り、三井アウトレットパーク幕張や幕張メッセ、ZOZOマリンスタジアムなど、都市型の大規模商業・興行施設が建ち並ぶなか、中心地にあってもホッとくつろげます。
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Bブロックに位置する『大芝生広場』。当日は天気も良く、沢山の親子連れ、スポーツを楽しめる若者たち、のんびりピクニックをする人などなど、多くの人が約3haある広い芝生で思い思いに過ごしていました。
また、緑豊かな木々の周りにはマンションなど高層建築物が並び、まさに”シティパーク”といったこのギャップが個人的には魅力的。なぜだか落ち着きます(笑)。

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この海浜公園のシンボルとも言える『花時計』。四季折々の花々に彩られ、季節ごとの楽しみを与えてくれますね。

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同じくBブロックにある『わんぱく広場』は、子どもたちの元気な声でいっぱい。遊具もさまざまで、親子連れにはもってこいの場所です。

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そして、Cブロックに位置するのが、今回の茶の湯イベントの開催場所、『見浜園』。
国内外を問わずさまざまな方に「日本の伝統的文化を表現し、接してもらうこと」を目的としてつくられたこの日本庭園は、先ほどまでの風景とは打って変わり、落ち着いた風情にあふれています。

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日本庭園内で行われた、一日限りの『見浜園 茶の湯〜新緑の会〜』イベント。
その内容は主に「庭園ガイドウォーク」「お気軽♪お茶点て体験」「野点風 呈茶サービス」(「庭園ガイドウォーク」のみ無料)の3つ。”新緑のさわやかな風を感じ、ゆったり抹茶と和菓子を味わいましょう”と謳っているように、新緑の時期ならではの、豊かな自然と和の魅力にあふれた内容です。
どれも興味深いのですが、まずは『見浜園』の魅力を探るべく、庭園ガイドウォークに参加しました。

■”豊かな自然美と伝統文化”を庭園散策で体感

今回のイベント内容の一つでもある「庭園ガイドウォーク」。10時〜と13時〜の2回ありましたが、午前の回に参加しました。

面積約1.6ha、今年で開園27周年を迎えたこの『見浜園』は、「池泉回遊式庭園」で山や川、海、林など美しい自然の様子を表しており、庭園や水の流れを回りながら観賞する庭園様式です。
庭園の中心には大きな池(下の池)がありますが、その池のはじまりとなる「上の池」の説明から庭園ガイドウォークは始まりました。

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滝口(写真中央)からこの「上の池」に流れた出た水は、一方は山あいの雰囲気の中を、もう一方は中の池や緩やかな流れを経て、「下の池」(中心の大きな池)へと流れ込んでいきます。
庭園内では途中、急な流れもあり、緩急ある水の流れはまた人生の流れをも表しているようです。
さて、北門をくぐり、いよいよ庭園の中に。

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入ってすぐにあるこの角は「ここからは庭園の世界に入りました」ということを意味するそうで、この角を過ぎて後ろを振り返っても来た道や景色が目に入らないよう造られているそうです。
日常と非日常を意識的に区別するかのように、昔の人にとって庭園は観賞の対象だけでなく、今よりももっと特別な意味を持っていたのかもしれませんね。

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山や丘、川などを表す風情ある景色を楽しみつつ、自然美にあふれた庭園を散策。
また、当日は和傘の無料貸出サービスもあり、日本庭園の風景にとても溶け込んでいました。

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庭園の中には、『検見川の大賀蓮』として1954年に千葉県の天然記念物の指定を受けた「大賀蓮」(おおがはす)の蓮池もあります。一粒の古代の蓮の実が現代でも花を咲かせた奇跡の大賀蓮。その後分根され、『見浜園』開園にあたり千葉市より寄贈されました。
立て看板奥にある蓮池には、ちょうど芽をつけはじめた蓮をみることができました。

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こちらは下の池にある「舟着場」と呼ばれるところ。平安時代の頃、貴族たちが舟を浮かべて庭園で興じたと言われるのを模して、このような舟着場が設けられているそうです。
池には、日本人にとってなじみのある縁起物になぞらえた「亀島」や「鶴島」、仙人が住むと考えられていた「蓬莱島」が配されています。

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当日は天気も良く、日本庭園のとても美しいこと。背景の高層建築とは対照的に、落ち着いた時間が流れていました。写真中央に見える建物は茶室の『松籟亭』(しょうらいてい)。

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こちらの「洲浜」も絶景ポイントの一つ。太鼓橋(写真左側)をはじめ木橋も風景に溶け込み、新緑ならではの鮮やかな緑と和の様式が美しい、趣きある日本庭園です。
ちなみに『見浜園』の名前の由来は、平安時代の日記物語『更級日記』で、作者・菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が上京途中に立ち寄った「くろとの浜」(現在の千葉市黒砂辺り)で詠んだ歌にちなみ、その中の字句を組み合わせてこの庭園にふさわしい名前を付けたそうです。

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「洲浜」から見える雪見灯篭は、庭園内にある約10基ほどの灯籠の一つ。
雪の降ることが少ない千葉ですが、時期になると石川・兼六園などで有名な「雪吊り」を施すとのことで、四季折々の景観を楽しむことができます。

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太鼓橋(写真手前)からの眺めもまた絶景。池には鯉が多数おり、こちらの太鼓橋や奥の木橋で楽しそうにエサをあげている親子連れが何人も見られました。

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こちらは茶室の『松籟亭』入口。名前の由来は同じく『更科日記』からのようですが、「松籟」(しょうらい)は”松の梢に吹く風”という意を表すそう。
また、写真左側に見える垣根は「桂垣」(かつらがき)と呼ばれる、京都・桂離宮で用いられている竹垣の様式を模したものだそうです。茶室の様子については、後ほど詳しくお伝えしますね。

そして、この茶室『松籟亭』前でちょうど庭園をぐるっと一周したことになり、ここで「庭園ガイドウォーク」は終了。
所要時間は30分ほどでしたが、ゆったり回りながらも丁寧な説明のおかげで歴史や豆知識を知ることができ(しかも無料!)、とても満足のいくガイド内容でした。美しい自然美を観賞するだけでなく歴史や文化的背景を知ることで、この『見浜園』の散策がより楽しくなりますね。

■大人も子どもも一緒にお茶点て体験!お抹茶と和菓子で楽しむ和のひととき

午前の「庭園ガイドウォーク」に続き、午後は茶室『松籟亭』で催された「茶の湯」イベントに参加。ここからは、今回のイベントに興味を持った友人家族も4歳の娘さんと参加し、一緒にお茶点て体験をすることができました。4歳児でもお茶点てができるのか!?ぜひその姿をご覧ください。

先ほども紹介した庭園内の茶室『松籟亭』。京都の北山杉を用いた数寄屋造りの本格的な茶室は建築面積83坪で、小間、広間、立礼席からなり、大小の茶会や句会、歌会などに利用できます。
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イベント当日は、普段はなかなか見ることのできない小間も見学ができました。建物としての素晴らしさはもちろん、にじり口や室内の雰囲気から、日常とは違う空気感が感じられます。

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立礼席では普段から呈茶サービスも営業しており、500円のワンコインでお抹茶一杯と季節の和菓子を楽しむことができます(貸出等の理由で休業の場合もあるので、事前にHP等でご確認ください)。

それでは、今回のメインでもある「お気軽♪お茶点て体験」に参加。
十畳の広間で行われた「お茶点て」ですが、普段なかなかできない体験ということもあり、同じように親子連れの姿も多く見られました。

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席につき、抹茶の入った茶碗と茶筅が運ばれ、いよいよお茶点てがスタート。茶道の先生にご指導いただきながら、茶筅を振ってお茶を点てていきます。「お気軽に」ということで席入りや難しい作法などはなかったですが、大人も子どもも真剣に点てました。

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どうですか、この手さばき!子どもでも茶碗をしっかり持って茶筅で点てることができました。

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最後の仕上げは、先生自ら点てていただきました。茶筅を少し上に浮かし、数字の「1」を書くように点てると、カフェなどにある”抹茶ラテ”のようなきめ細かい口当たりになるそうです。

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こちらはお抹茶と一緒に運ばれてきた和菓子。季節にちなんだものということで、今回は「かぶと」でした。お抹茶を飲む前に、この和菓子を先にいただきました。

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押し頂いてから、いよいよお抹茶を頂戴します。自分で点てた抹茶の味は、また一段とおいしかったはず!

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和菓子を食べてからということもあり、4歳でもほろ苦い抹茶を嫌がることなくおいしそうに飲んでいました。
おもてなしのためにしつらえた「茶室」という特別な場所で、「お茶点て」という貴重な体験をすることができ、子どもにとっては非常に良い文化体験になりますね。

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こちらが、今回のお茶点てを指導していただいた裏千家茶道教授・菊池宗孝先生。
「このイベントでは、礼儀作法や所作など難しいことではなく、とにかく気軽に「お茶」というものを楽しんでいただき、親しみをもってもらえたら」とおっしゃっていました。
ちなみに、菊池先生は同じこの『見浜園』で開催している茶道教室(全16回)の講師としてもご指導しております。

自分で点てたお抹茶を堪能できるこの『お茶点て体験』。開催時間や定員も決まっていたので参加できなかった方でも、お抹茶と和菓子が味わえるよう『野点風 呈茶サービス』(9:30〜16:00)も同じく『松籟亭』で開催されていました。

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当日は、”野外で行う茶会「野点」風”ということで、茶庭に配された赤い和傘や長椅子の敷物が和の雰囲気を盛り上げていました。室内の立礼席でもお抹茶をいただくことはできましたが、お天気も良いことからもちろん野外でのお茶を楽しむことに。
茶庭は芝生もとてもきれいで眺めも美しく、この茶庭からの景観を見るだけでも、ほっこりと落ち着きます。

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目にも鮮やかで美しい「呈茶サービス」のお抹茶と和菓子。季節柄、和菓子だけでなくこの日限定で折り紙のかぶとや黒文字入れ(ようじのこと)も一緒についてきました。日本人のみならず、外国人の方も大変喜びそうな粋な演出ですね。

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目の前の景色を楽しみつつ、色鮮やかな新緑の中でいただく格別の一服。まさに”野点風”といった具合で、まったりほっこり和のひとときを満喫できました。

今回の『見浜園 茶の湯〜新緑の会〜』いかがでしたか?
さわやかな新緑の中、風情豊かな庭園を散策したり、お抹茶をいただいたりと、一日この『見浜園』で楽しく過ごすことができましたが、同時に日本の伝統文化や様式美にも触れることができ、とても良いひとときでした。
お茶を点てる4歳の女の子の顔はとても真剣で、子どもにとっても和文化を知り、興味を持つ良いきっかけにもなるなぁとも感じました。

大人も子どもも一緒に自然美を楽しみ、日本文化に触れられる『見浜園』。
都市部にいながらにして感じられる緑豊かな自然と和の趣きの中で、みなさんもゆったりのんびりとした一日を過ごしてみてください。

(写真撮影:ひださとこ/くろさわゆうこ)

■県立幕張海浜公園
web: http://www.seibu-la.co.jp/makuhari/
住所:千葉県千葉市美浜区ひび野2-116
TEL:043-296-0126(パークセンター管理事務所 平日9:00~17:00/A・B・Cブロック)
FAX:043-296-0128
開園時間:終日開放(見浜園以外)
休園日:年中無休(※公園管理のため左記以外に閉園することもあります)
入園料:無料(見浜園以外)

■県立幕張海浜公園 日本庭園『見浜園』
開園時間:8:00~17:00(入園は16:30まで)
休園日:年中無休
入園料:大人100円、小中高校生50円(義務教育学校前期・後期課程含む)
※年齢65歳以上の方は、身分証明書をご提示により入園料が無料になります。障がい者(身体障がい者、知的障がい者または、精神障がい者)の方及びその介護者の方は、障がい者手帳をご提示により、入園料が無料になります。

■県立幕張海浜公園 茶室『松籟亭』
開園時間:9:00~16:30
休園日:年中無休(見浜園の休業日と同じ)
呈茶サービス料:500円/1杯・和菓子付き(和菓子は季節により変更)
※16:00までにお入りください。また、別途入園料がかかります。

■参照元
・県立幕張海浜公園:http://www.seibu-la.co.jp/makuhari/

くろさわ ゆうこ
くろさわ ゆうこ | 記事一覧

1976年、新潟県生まれ。大学卒業後、人文系出版社勤務を経て、現在は千葉県にて一人娘を子育てする日々。暮らしのなかのFUN!を”見つける、考える、やってみる”ユニット「nom de cocoa」としても活動中で、近年ではフィンランド発のソーシャルフードイベント「Restaurant Day」に共感し、ピクニックイベントを千葉でも定期的に開催。女子クリエイターのためのライフスタイルつくりマガジン「haconiwa」でも箱庭キュレーターとして活動中。モットーは「毎日が文化祭」。https://www.facebook.com/yuko.sekisawa

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