三十路男子のリアル西千葉ライフ
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Vol.6 なんだかいろいろどうにかなると思えるのは

2017.02.09

今年の冬は大分寒いようですが、みなさんどのようにお過ごしでしょうか。ニュースでは再三再四日本列島の厳しい寒さが取り上げられておりますが、こと千葉に目を向けると、画面上で目にする厳しい冬の様相とは一線を画しているような気がします。確かに風が冷たい日もありますが、気持ちの良い快晴が続いておりました。

そんな気持ちよく晴れた日、無事に娘が誕生いたしましたので、この場を借りて報告をさせていただきます。今、わたし心の裡は、めでたい気持ちでいっぱいです。その思いを只管綴ってしまっても良いのですが、どうせ言葉になりませんし、書いたところでただ「嬉しい」「幸せだ」といった心情のリフレインになってしまうでしょうから、それはみなさんにお会いする機会があれば話をさせていただきたいと思っています。と言うか、お会いしたら勝手に話をさせていただくと思いますので、その際にはどうか、笑顔を湛えてお付き合いいただければと思います。

そんなわけで、娘が無事にこの世に降り立ち、半月余りが経とうとしています。長かった妻の妊婦生活も、無事終焉を迎えました。思い返すと、結婚に妊娠・出産と、初めて尽くしの1年間だったように思います。ちなみに、結婚にまつわる私の由無し事については、以前の記事に書かせていただきましたので、興味があれば是非お読みください。

さて、初めて尽くしということは、わからないことばかりだった、ということになります。となると、手続きや準備など、先ず何が必要となるのかについて、それこそ一から調べていく必要がありました。妊娠・出産にまつわる手続きに関して言えば、例えば妊娠が判明したら先ず母子手帳をもらう必要がありますし、出産後には出生届や健康保険の申請が必要になります。

手続きに関しては、調べればある程度わかるものです。が、さらに気になるのは、妻の身体的な変化やお腹の中のこどもに関することです。新たな命をお腹の中に育みながら、体も実際に変化していく中、その状態にどのように向き合っていくのか。産婦人科で教えてもらうことも然ることながら、自分たちでも調べて、理解していこうとしていました。少しずつわかることが増え、多少は安心感も増しましたが、それでも未経験のことです。これで十分だ、ということにはもちろんなりませんでした。

そしてもう一つ、頭をもたげてくるのは「モノ」です。妊娠で体が変化すれば、自ずと着るものも変わりますし、新生児を我が家に迎え入れるわけですから、その子の服や身の回りモノが色々と必要になってきます。何を揃えたらいいのかも気になるし、先立つ物、すなわちお金なんかも気になってきちゃいます。こうなると、もう次から次に気になることが出てきて片付かないので、心はちょっとせわしない状態にもなってきてしまいます。

そんなぼくではありましたが、落ち着かない気持ちのままではなく、最終的には結構心穏やかに妻の出産を迎えることができました(もちろん、出産に立ち会ったときには相当ハラハラしておりましたが)。これはきっと、暮らしていたのが、他でもない「西千葉」だったから、なのではないかと思っています。

先に触れたように、未知の経験に向き合うべく、自分たちでいろいろと調べたり考えたりしていたわけですが、それだけでは心許なかったのが正直なところでした。そんな折、うちの場合ですと、妻のお友達が小さいお子さんを連れて遊びにきたり、西千葉でお子さんがいらっしゃる方と話したりといったことが結構頻繁にありました。妊娠・出産のプロセスをやり遂げている方に、そのとき感じたことや経験したことなどをいろいろと聞くことができたことで、妻の気も大分楽になったようでした。妻自身が気になっていることについても、きっと共感を持って聞いてもらえたりしたんだと思います。実際に出産するわけではないぼくであっても、西千葉で人と会うたび、自分のそのときの気持ちをなんとなく話して聞いてもらうだけで結構気が楽になりました。つまり、西千葉には相談相手になってくれる方々が、ままいらっしゃった、というわけです。

また、ぼくたちが言い出したわけではないのですが、自分たちが使っていた新生児・乳幼児向けの様々なモノを提供してくださる、というお話を、西千葉の方々からいただくこともありました。相談できる方がいるというだけでも心強いものなのに、「モノ」に対するなんとなくの心配についても手を差し伸べてもらえるのは、本当にありがたいものでした。実際にモノをいただけたこともそうですが、そういった提案をしてもらえただけで、なんだかとても安心したことを覚えています。

その後、無事娘が生まれ、まちで人に会って報告をさせてもらうたびにお祝いの言葉をいただくことになるわけですが、これも本当に嬉しいものでした。こう考えてみると、奥さんの妊娠・出産という一大ライフイベントの全編に亘り、ご本人たちにその気がなかったとしても、西千葉にいらっしゃる方々にいろいろと支えてもらっているんだなぁと実感する機会がたくさんありました。お陰で悩みすぎずに妻の妊娠・出産のプロセスを迎えることができたと思っています。本当にありがたいなぁと思うことしきりですし、そんな人と人とのつながりって実際にあるもんなんだ、と改めて感じることになりました。

と、そんなことを考えていたら、ふと自分が以前に書いた、このコラムの最初の記事を思い出しました。そこには、「なんとなく、地域が緩く繋がっている、または繋がっていきやすいような空気感」を西千葉という場所に感じる、というようなことを書いたのですが、その時は、まさに「空気感」という言葉よろしく、その「つながり」には何か雰囲気的な、結構ライトな印象を抱いていたような気がします。でも、先に触れたような実感があると、自分にとってのその「つながり」の趣も変わってきます。それは、空気感ではなく実体を持った何か。ともすると触れることができて、あたかも目に見えるような形で存在しているようなもの。そんな「つながり」の中に自分たちが実際にいて、フィジカルに、直に関わりあっている感じです。手触りや息遣い、体温を感じるような、と言い換えてもいいかもしれません。

ぼくは西千葉で暮らして今年の6月で丸4年になります。暮らし始めた当初は、それこそ何も知らない土地でしたし、話すことのできる人もほとんどいませんでした。でも、実際に生活していくと、さまざまな場、さまざまな機会で、さまざまな方と関わることになります。やりとりが増え、重なっていき、そのうち自分たちの人生の出来事に対して、実際に反応してもらえるようになっていたりもする。自分たちがつながっている人たちに人生を共有してもらっているような、そんな感じさえしてきます。なんかちょっと安心感があるといいますか、何かあっても相談できるな、大丈夫だな、と思えちゃったりもするわけです。

暮らしているところでこのように感じることができたのは、ぼくにとっては西千葉が初めてでした。これから、生まれてきた娘も育っていくわけですが、きっとこのまちの「つながり」の中で育んでもらうんだろうなと思うと、やっぱりなんだか安心してしまうわけです。ちょっと他力本願的な気もしないでもありませんが、みなさんどうか、引き続きよろしくお願いいたします。

三瓶 伊万里
三瓶 伊万里 | 記事一覧

1984年、福島県生まれ。大学がリベラルアーツを標榜することから、所属は教育学科ながら、他領域の学問にも自由に触れる経験をする。07年に住友商事(株)に入社、鉄鋼事業に従事する。サラリーマンとしての暮らしの在り方に疑問を持ち始め、まちづくりに携わりたいという想いを強くする中、同社を12年に退社。同年(株)北山創造研究所に入社する。14年には同社を退社、現在は新たな社会の在り方を研究しながら、実践の可能性を模索している。 https://www.facebook.com/imari.sampei

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