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vol.13 大島てるの絶対に借りてはいけない物件

2016.11.18

事故物件サイト・大島てるの絶対に借りてはいけない物件
2015年 主婦の友インフォス情報社

物件という大海原を航海するには

「物件」。元々は物品、品物を指す言葉だが、不動産においてはこと「土地・建物」を指す。この言葉、わたしたちの暮らしの中ではなかなかに馴染みの深いものではないだろうか。仕事においては新規の店舗展開、オフィスの開設や移転、場合によっては倉庫などといった、様々な事業の展開時には現れるだろうし、そうでなくても多くの方々にとって、入学・就職時の一人暮らしや結婚、転勤などにまつわる転居や新生活に「物件」はつきもの。わたしたちの暮らしの中に欠かすことのできない要素と言ってしまって過言ではないだろう。

そんな物件だが、入り用になった際には、言わずもがな各人の目的に応じて、どんなものがあるのかを調べる必要がある。暮らしたい場所があれば、最寄駅周辺にある不動産屋さんに相談する場合もあるだろうし、インターネットで予めめぼしい物件を探っておくこともできるだろう。物件の周辺施設や交通の便についても確認しておく必要があるだろうし、気になる場合には、そもそも物件の所在地がどんな場所だったのか、歴史的背景などを調べる人もあるかもしれない。

わたしたちは仕事柄色々なことを調べたりするが、時に物件情報もそれに含まれる。従って、上述のように不動産屋さんへ相談したり、人伝で情報をいただいたり、またインターネットで検索したりするのだが、色々と調べていくと、普段あまりお目にかかれないような情報に行き着いたりもする。そしてなんなら、そんな普段は見ることのない情報しか扱わないようなサイトも存在する。その代表格とも言えそうなのが、本書のタイトルにある大島てるである。

本サイトでは、「事故物件」、すなわち殺人事件、自殺、火災などの事件・事故で死亡者の出た物件の住所や部屋番号、死因などを無料公開している。物騒な情報ばかり集めているように思われるかもしれないが、自分が入居しようとする物件に何か問題はなかったか、気になる方も中にはいらっしゃるはず。サイト自体は10年以上続いており、一定のニーズはあるようだ。

そんな「事故物件サイト」協力のもと編まれた本書。タイトルからして、やはり物騒である。が、そこは一旦堪えてもらって、是非一度中を覗いていただきたい。「借りてはいけない」物件について様々な要素を洗い出し、整理をしてくれているのだが、それが非常に分かりやすくまとまっている。第1章はそれこそお得意の「事故物件」に関してだが、第2章で不動産会社に関して、第3章は建物、第4章で住宅周辺、そして最終章では入居後発覚するトラブルについてと、物件選びから入居までのプロセスで必要となる視点を全てカバーしてくれており、目から鱗の話も多い。有り体に言って、非常に「使える」内容となっているのだ。

世の中には数多の物件が存在している。その中の「自分の物件」に出会うために、是非一度本書に手を伸ばされることをおすすめしたい。タイトルとは裏腹に、「絶対に借りたい物件」を見つける助けになってくれること請け合いである。

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