三十路男子のリアル西千葉ライフ
Processed with VSCOcam with b5 preset

Vol.3 ジャブを浴びにいってみよう

2016.08.18

もう3月ですね。寒さは大分弱まり、暖かさを感じる日が増えました。3月と言えば卒業式。別れを偲んでお酒を飲む方も多くなるのではないでしょうか。転じて4月には入学式、入社式と、新天地に進まれる方も多くなります。新人はどこでも歓迎されるものです。いや、歓迎されなくてはなりません。きっと新人歓迎会が開かれることでしょう。また春は桜の季節。年に一度の桜も喜ばなくてはなりません。お花見も開かれることでしょう。やはりお酒に触れる機会が多くなりそうです。なんだか理由をつけて飲んでばっかりですね。やっぱりお酒って楽しいってことなのでしょう。そんな楽しい「飲み」に関して書いてみようかと思います。

ぼくは結構、というかかなり、飲みに行くことが好きです。お酒の、特にその味が好きです。ビール、日本酒、ワインから、焼酎、ウィスキー、紹興酒まで。なんでも飲みますし、それぞれに好きなものがあります。嗜好品には非常に弱いです。
食べるのもかなり好きです。美味しいものには滅法弱い。そして、お酒を飲むときには普段以上に食べるようになるのでお会計が大変です。友人と飲みに行く際には警戒されます。多少気をつけるようになりましたが、食欲はなかなか減るものではありません。どうかこれに懲りず、引き続き飲みには付き合ってほしいと心から願っています。

飲みの醍醐味といえば、果たしてこれだけでしょうか。大事なものがもう一つ。人と話す、ということが挙げられると思います。ぼくはこれがかなり好きです。むしろこれをするために飲みに行っているふしがあります。お酒を飲むと、相好も崩れ、気兼ねなく話すことができて、とても楽しい。度々理由をつけて飲みに行きたくなってしまうのもわかります、よね。

さて、一口に飲みと言っても、色々なシーンがあります。先に触れたような、お花見や新人歓迎会、送別会といった大きなもの。結婚式なんかもそうですね。これはこれで盛り上がったり騒げたりするので楽しいものだと思います。
一方で、何とは無しに、少人数で飲みに行く場合もあります。予定しておくなり当日決めてふらっと行くなり、幾つかのパターンがありますが、ぼくは基本的にはこれが好きです。ぼくの「飲み」の大半がこれで構成されています。
(あとは一人で行く場合ですが、これは結構疲れている場合を除くと、実はお店で誰か知人と出会うことをなんとなく予期して行っていることもあるので、少人数でのケースに近いことが多いです)

その少人数での飲みについてですが、最初の会社に所属しているときから、これを実に様々なところでやっていました。会社から比較的近い月島、銀座、有楽町。社員寮への乗り換えを考えると楽な東京、八丁堀。などなど。毎回相手も変わりますし、場所も変わります。
ぼくは基本誘われた飲み会には断らず参加していました。今では体調が優れないときや連日連戦は避けるようになりましたが、スタンスはあまり変わりません。予定が重なると非常に疲れることも多いのですが、これにはこれのいいところがあります。それは「つながる」ということです。

自分がゲストであれホストであれ、飲みの場では実に様々な人と会うことになります。馴染みの友人、初対面やそれに近い方。一対一の場合もあれば、3〜4人で飲むこともある。バックグラウンドが違う人たちが飲むわけですから、毎回話題や雰囲気が変わるのは必定。仕事でのプレゼンテーションとは違いますし、内容は未定。どんな話になるかはわからないわけです。

でも、虚心坦懐に話していくと、相手と「つながる」ポイントが現れてきたりします。わかりやすいのは初対面の方とお会いして、共通の知人が見つかる場合ですね。それが共通の話題になって場が盛り上がったりしますし、ときにはその共通の友人を誘って飲みに行こう、となったりもします。この辺りは、経験したことがある方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

あまり格好をつけずに色々なことを話していくと、自ずと自分や相手が興味を持つことについての話題に移っていきます。ストレートに話していると、自分の興味を持つことについて、相手も興味を持ってくれたりします。逆もまた然り。すると驚くことに、仮に初対面だったとしても、話題に反応して双方の興味のある領域に関する機会や人を紹介しあう、なんてことが起きたりもするのです。すると、各々の興味のあることに「近づいていく」感じがします。これは結構ワクワクすることだったりします。

また、シンプルに話をしていくと、話が通じやすくなるのか、相手と通じ合ったと思えることも多くなります。別に全てを理解しあったとかそういうわけではありません。でも、話せたという実感は嬉しいと感じるものです。ゆえにまた会いましょうという話になったりもします。

今のは都内での飲みを想定して書いていましたが、実は西千葉について考えてみても、結構同じように「つながる」ようなことが起きている気がします。ただ西千葉の場合は、ぼくが住んでいて、また相手もこの地域に住んでいる、ということから、少しずつ密な関係が増えているような気はします。これはこれでまた心地よいものです。都内を転々として飲むときにはない、自分の居場所のような安心感があります。これは2年半以上暮らしていること、友達が増えてきたことが大きく影響していると思います。

さて、気が向いたら行ってみる。興味のある人には会ってみる。そうやってシンプルに話をしていくと、どんどん「つながる」という経験をするようになりました。したいことをし続けることで、さらに楽しいと思えるものに繋がっていく。この話を以前、大阪出身の年上の友達と話していたら、彼はこう表現しました。「やっぱジャブを浴びにいき続けなあかんねんな。すると、精度上がんねん。」

なぜ、ジャブ?という疑問はさて置いて、感覚的にはしっくりきました。自分の感性の趣くままにいろんな場に行き、人と会って話をする。色々な経験をする。これが自分に響かない、疲れるものだったりすることも多い。それでもジャブを浴びにいき続けることで、自分にしっかり響く何かに出会うことも、ままある。そして、その精度は徐々に上がっていく、と。少なくとも自分からジャブを浴びにいかないと、そもそも出会うことがない。可能性は皆無なわけです。「そうか、確かに浴びにいってますね」と返したのを覚えています。

ここまでは「飲み」について書いているつもりでいましたが、これ、実は何にでも言えることなんじゃないかしら、と思ってきました。ざっくりですが、心の趣くままに反応して動き続けることで、自分に沿った何かに出会い、それに近付いていくのではないか。ぼくの場合は「飲み」をきっかけに自分と相手がときにはシンプルに、ときには興味関心の領域で「つながる」ことでした。「趣味」でも「仕事」でも、構造は同じなのかもしれない。何をしていても、生きていれば何かしらの場に行くでしょうし、人とも話すわけです。自分で行動して、そのときの気持ちに反応していけば、どんな領域でもこの「つながっていく感じ」「自分の興味に近づいていく感じ」は生じ得るのではなかろうか。何だか自分の「飲み」を肯定しているかのようですね。

ということで、ぼくはまだ当分「飲み」というジャブを浴び続けていくことになりそうです。人と話すのもやめられないですしね。

日毎に暖かくなってきています。これを読んでくださっている方も、よろしければご自身にとってのジャブを浴びに行ってみてはいかがでしょう。と、今回は一つお節介な提案で筆を置きたいと思います。

(この記事は2016年の3月に書かれたものです)

三瓶 伊万里
三瓶 伊万里 | 記事一覧

1984年、福島県生まれ。大学がリベラルアーツを標榜することから、所属は教育学科ながら、他領域の学問にも自由に触れる経験をする。07年に住友商事(株)に入社、鉄鋼事業に従事する。サラリーマンとしての暮らしの在り方に疑問を持ち始め、まちづくりに携わりたいという想いを強くする中、同社を12年に退社。同年(株)北山創造研究所に入社する。14年には同社を退社、現在は新たな社会の在り方を研究しながら、実践の可能性を模索している。

  • facebook
  • twitter
  • google+

関連記事

  • Vol.2 鉄道網の混乱から暮らしを振り返る

  • Vol.4 やってみないとわからない