大きく小さく「こども」を考える
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Vol.1 こどもについて考えること、とは

2016.08.03

このコラムでは、こどもについて、小さな視点と大きな視点、地域というミクロ、社会的な問題意識というマクロを行き来しながら、思うところを色々書いていこうと思っています。

では、そもそもなぜこどもについて考えるのか。今日はそれについてまず書いてみたいと思います。大きな理由としては、わたしたちの会社の目的に深く関わる部分、そしてわたし個人の問題意識、というものがあります。

わたしたちが事務所を構える、この西千葉エリア(西千葉駅、みどり台駅界隈の地域)には、緑町小学校や緑町中学校、千葉大学や附属小学校・中学校と学校が多く、教育に重きを置かれている点から、この地域は文教地区とも呼ばれています。地域にはこどもたちが多く、当然のことながら、こどもたちと接する機会も多いと感じます。

わたしたちのプロジェクトに関連付けて考えると、例えばHELLO GARDENや、西千葉工作室、そしてEcole Libreと、こどもたちとの接点を持つものばかりです。具体的な事例については今後触れていくことになるかと思いますが、こどもたちと各プロジェクトの担い手の関わり方、またその場その場でこどもたちも交えながら起きる出来事には、時としてはっとさせられることもあります。

わたしたちの会社では、暮らしがもっと楽しくなるために、次の世代にもっと楽しい暮らしを引き継ぐために、疑問を一つひとつ丁寧に研究し、新しい在り方を模索し、地域の方々と共に実践していくことを旨としています。こどもたちとの接点で生まれた疑問や気づきについて、思索を深め、自分なりに整理してみることは、今後どのように地域の変化に貢献していくかを考える上で、何かしら活かせるものになるかもしれない。また、もしかすると記事を読まれる方にも、何かしら提供できるものや、参考にしていただけるものもあるのかもしれない。このように考えたのが一つ目の理由です。

もう一つ、個人的な問題意識についてですが、これは端的に申し上げると、これからの社会の担い手は誰か、ということです。少し過去の社会の変化を振り返ってみたいと思います。

高度経済成長のもと、日本社会においては、大学進学から大企業に勤め、終身まで粉骨砕身貢献し続けることが一つの成功の形、換言すれば幸せの形、とされていたのではないかと思います。しかし、バブル崩壊後、そのような状況は瓦解し始めました。一つの企業に勤め上げることだけが「正解」ではない。もちろんそれもあるのですが、転職する方もいれば、いくつか副業をされる方、はたまた独立される方と、在り方が多様化するようになってきたのではないでしょうか。

また、インターネットの普及から、時代の変化の速度は上がりました。新しいサービスやプロダクトの出現が生活の在り方を劇的に変えていき、今やインターネットやスマートフォン(携帯電話)は生活のインフラとなってしまいました。これは、先ほど触れた在り方の多様化についても大きな役割を果たしていると思います。また、こと就職について考えてみれば、例えばシステムエンジニアが、現在では雇用の多くを占めるようになりました。

高度経済成長期に、バブル崩壊やインターネットのインフラ化など、少なくともほとんどの方は想像だにしていなかったのではないでしょうか。つまり、今後どのような社会になっていくのか、現在地から未来については、基本的には誰にも予見することはできないということです。そしてその変化の仕方がかなり大きなものにもなってきている。今の「正解」が未来の「正解」とは限らないし、それは今の延長線上にあるとも限らないわけです。

ただ、ここで未来について考えるときに一つ言えることがあるのではないかと思いました。それは、今後その社会を担い、築き上げていくのは、今のこどもたちだということです。彼ら、彼女らが今置かれている状況が、彼ら、彼女らを創り上げることに一役買い、そんな彼ら、彼女らがこの先の未来を創っていく。少なくともこれについては間違いないのではないか。

そのように考えると、いずれ未来を創り上げていくことになるこどもたちが、今どのような状況に置かれているか。例えば都市部に近い住宅地であり、文教地区でもあるこの地域で、何を楽しみ、何に不満を覚えているか。ある出来事が起きた時に、どのようにこどもたちが変わっていったか。このようなことに着眼し、考察を深めることで、実は社会の問題や変化を表象するものが見えてくるかもしれないですし、何よりも、より良い社会、そして「未来」を築き上げることを考える上で、とても大切なことなのかもしれない。

どんな社会になっていくかは誰にもわかりませんが、少なくとも、どんな人が社会を担っていくことになるのかについては、多少アプローチの可能性もあるのかもしれない。これが、未来の社会の担い手たるこどもたちについて考えたい、と思うようになった個人的な理由です。

このような二つの理由から、こどもたちについて考えてみたい、と思うようになりました。
目の前で起きている出来事を通じ、身近にいるこどもたちに想いを馳せ、またその出来事の意味するところを社会と照らし合わせながら考えてみる。このようなことを通じて、少しでも発見をしていくことができるよう、取り組んでみたいと考えています。

三瓶 伊万里
三瓶 伊万里 | 記事一覧

1984年、福島県生まれ。大学がリベラルアーツを標榜することから、所属は教育学科ながら、他領域の学問にも自由に触れる経験をする。07年に住友商事(株)に入社、鉄鋼事業に従事する。サラリーマンとしての暮らしの在り方に疑問を持ち始め、まちづくりに携わりたいという想いを強くする中、同社を12年に退社。同年(株)北山創造研究所に入社する。14年には同社を退社、現在は新たな社会の在り方を研究しながら、実践の可能性を模索している。

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