トンネル図書館−今週の新刊
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トンネル図書館−今週の新刊 vol.1

2016.02.04

今週の新刊は、「トンネル図書館ーおすすめの1冊」で紹介した、『「読まなくてもいい本」の読書案内』の「4 脳科学」の章で触れられているものを中心に、興味深い本をピックアップした。

 

library2_1_4意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
マルチェッロ・マッスィミーニ ジュリオ・トノーニ
亜紀書房

本書は、脳科学の最先端を知るのにわかりやすい一冊として紹介されている。
端的に述べれば、テーマは「意識とは何か」だ。それを、抽象的な思索ではなく、理論と実践の間を、また一般原則と実際の測定との間を往来しながら扱っている とのこと。普段の生活では突き詰めきることのない「意識」という脳科学最大のナゾに触れることのできる、エキサイティングな一冊となるのではないだろうか。

 

library2_1_1心脳問題 「脳の世紀」を生き抜く
山本貴光 吉川浩満
朝日出版社

哲学の視点から脳と意識(こころ)の問題を考えるためのすぐれた入門書として紹介されているのが、本書である。近年の脳科学の急速な発展により、人間の脳内活動が着々と解明されつつある。脳に関する最先端の情報が氾濫する現代において、それとの向き合い方、すなわち「脳情報のリテラシー(読み解き方)」を身につけよう、というのが本書のテーマである。脳科学が可能とするであろう未来に、既に片足を突っ込んでいる我々にとって、本書はその大海に漕ぎ出す際のコンパスになってくれる、かもしれない。

 

library2_1_2心の仕組み 上・下
スティーブン・ピンカー
ちくま学芸文庫

脳科学や進化論の発展により、人文諸科学を統合するという流れも生じているらしい。哲学や精神分析が思索を深めようとしてきた領域、こと「意識」にまつわるそれに関して、脳科学や進化論の文脈から説明が可能になってきているようなのだ。その中で、進化心理学という領域から、人文系の心理学を書き換える試みを扱っているのが本書である。「人間」の見方を変えてくれるとの紹介のされ方が、非常に期待を膨らませてくれる一冊である。

 

library2_1_3人間の本性を考える 上・中・下
スティーブン・ピンカー
NHKブックス

では、先に触れた進化心理学とは何か。わかりやすい入門書として本書が紹介されている。この本は他の3つと異なり、「2 進化論」の章で触れられているもの。「人の心は「空白の石板」であり、すべては環境によって書き込まれる。これは、20世紀の人文・社会系科学の公式理論であり、反対意見は差別や不平等につながるとして、今なおタブー視される」ものらしい。しかし、その基礎には生得的なものがあることを最新の科学で明らかにし、タブーに切り込む本書。人間の本性に関する知見を劇的にアップデートできるというだけでも、一読の価値ある書ではないだろうか。

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